砥石は摩耗しやすいですが、自生作用が働き切れ味が持続するため、良好な面が得られます。面仕上げや、硬い素材の粗加工等に向いています。また、台金をアルミで製作でき、大径の砥石が可能ですので、平面研削盤など大型の砥石を使用する設備ではレジンボンドを選択する場合が多いです。  砥石の基本知識. こども・ママ・元気 , 酸化ケイ素(シリカ)SiO2の正式な化合物名は、二酸化ケイ素(Silicon Dioxide)です。ただし、ケイ素(Si)と酸素(O)の化合物で、常圧室温下において安定な化合物はSiO2だけで、他物質との混乱が生じないため、酸化ケイ素(Silicon Oxide)と略して呼びます。なお、炭素(C)と酸素(O)の化合物は、同条件下で一酸化炭素(CO、Carbon Monoxide)と二酸化炭素(CO2、Carbon Dioxide)が存在するため、両者の混同を避ける意味で、酸化炭素(Carbon Oxide)とは呼びません。非晶質(無定形)の酸化ケイ素は、一般にシリカ(Silica)と呼ばれます。, ・低温型(α-)石英(Quartz、三方晶(Trigonal))・高温型(β-)石英(六方晶(Hexagonal)), ・低温型(α-)トリジマイト(Tridymite、単斜晶(Monoclinic))・高温型(β-)トリジマイト(六方晶), ・低温型(α-)クリストバライト(Cristobalite、正方晶(Tetragonal))・高温型(β-)クリストバライト(立方晶(Cubic)), ほぼ純粋なSiO2成分で産出される鉱石に、石英(Quartz)があります。無色透明の石英結晶を水晶(Rock Crystal)、砂(粒子)状の石英結晶をケイ砂(Silica Sand、Quartz Sand)と呼びます。天然に産出する非晶質二酸化ケイ素を主成分とする火山岩の一種に、黒曜石(Obsidian)があります。黒曜石は溶岩から生成され、黒曜石製の打製石器(尖頭器Projectile Point)が、数万年も前の旧石器時代の国内遺跡から発掘されています。また、縄文時代以降では、石鏃(せきぞく)の矢尻などの材料に用いられてきました。用いられていた理由は、黒曜石が、他の天然鉱石などに比べて、極めて鋭利な形状に容易に加工しやすかったためと思われます。, また、単細胞藻類のケイソウ(珪藻、Diatom)の死骸(遺骸)が堆積して作られる非晶質のケイソウ土(珪藻土、Diatomaceous Earth、Diatom Earth)は、現在、工業的にも利用されています。珪藻の殻は二酸化ケイ素SiO2でできており、珪藻土もこれを主成分としています。. ALL RIGHTS RESERVED. Facebook で共有するにはクリックしてください (新しいウィンドウで開きます). 超硬合金、鋳鉄、非鉄金属、セラミック等の研削: C砥石 炭化けい素質の砥粒 鋳鉄、非鉄、セラミック等の研削: 粒度(Grain Size) 砥粒のつぶの大きさを粒度で表します。粒度は通常“F”または“メッシュ(#)”で表現され、一定の巾の粒度分布をしています。分布の巾は次の巾の通りです. © 2015-2020 IPROS CORPORATION. Junichi Matsushita、Materials Chemistry of Ceramics、Springer、2019, ※本稿では、材料固有の特徴は性質(Property/Properties)と表記し、ある任意に作られた材料の特徴は特性(Property/Properties)と表記しています。, 前回は、セラミックの語源や、セラミック材料の性質などを紹介しました。今回は、広義のセラミックスとして扱うことができる無機非金属固体材料の化学組成と、結晶構造について解説します。, 無機非金属固体材料は、広義のセラミックス(セラミック材料)として扱うことができます。では、無機非金属固体材料とは何でしょうか? 固体材料を化学成分で大別すると、有機材料(Organic Material)と無機材料(Inorganic Material)に分けられます。有機とは、生活機能(生命の営みが可能)という意味を含む「機」を有し、無機は「機」を持たないという意味です。このうち、無機材料は、金属材料とセラミック材料(セラミックス)に分けられます。このセラミック材料が、無機非金属固体材料です(図1)。, 次に、素材の観点で固体材料を大別すると、単体材料、化合物材料、混合物材料、複合材料などに分けられます(図2)。, セラミックスの代表的な単体材料には、炭素、ホウ素、ケイ素などの工業材料があります。これらの単体材料は、単一の非金属原子で化学結合している単一分子の材料です。炭素C原子のみが共有結合しているダイヤモンドや、ケイ素Si原子のみがダイヤモンド構造を有するケイ素(工業的呼称はシリコン)などは有用な無機材料です(βスズ構造へ相転移したケイ素は、金属材料として扱われます)。, なお、ダイヤモンドやシリコンは、人為的に高温で焼き固めた無機固体材料(狭義のセラミック材料)ではありません。ただし、金属材料ではないため、本稿では広義のセラミック材料として扱います。, 酸素や炭素などが、ある1種類以上の金属元素、あるいは非金属元素(酸素や炭素などよりも低い電気陰性度)と化学結合した化学組成である化合物材料(セラミック化合物)には、二酸化ケイ素や、炭化ケイ素などがあります。これらは有用な工業材料であり、さまざまな分野で利用されています。単体材料や化合物材料については、次回以降に詳しく解説します。, 全ての固体材料は、構成粒子(原子配列(Atomic Arrangement))に秩序性があり、一定の3次元的な周期構造を有する状態の結晶(Crystal)と、一定の3次元的な周期構造を持たない状態の非晶質(Amorphous)に区分できます。非晶質は、アモルファス、あるいは無定形とも呼ばれます。, 非晶質で、ガラス転移点(Glass Transition Point)を有するものは、ガラス(Glass)と呼ばれます。なお、有機材料である高分子が有するガラス転移点は、二次転移点とも呼ばれます。このガラス状態の典型的な例が無機ガラスです。ガラス状態の「ガラス」という言葉は、無機ガラスに由来しています。, 前回は、広義のセラミックスとして取り扱うことができる無機非金属固体材料の化学組成と、結晶構造を紹介しました。今回は、合成ダイヤモンドと人造黒鉛を例に、単体セラミックスを取り上げます。また、2種類以上の元素が化学結合してできる化合物セラミックスについても解説します。, 単一の元素の原子で構成された物質を、単体(Simple Substance)といいます。単体には、同じ元素から成る単体でありながら、異なる結晶構造(原子の配列が違う)を持ち、異なる性質を持つ物質があります。例えば、ダイヤモンドと黒鉛は、ともに原子番号6の元素、炭素原子C(Carbon)だけで構成される単体の材料です(図1)。ダイヤモンド(Diamond)の鉱物名は金剛石、黒鉛(Graphite)の鉱物名は石墨(せきぼく)です。黒鉛は外来語のまま、グラファイトと呼ばれることもあります。両物質とも、ホウ素やケイ素と同様に、非金属元素である炭素原子のみで構成された単体の無機材料です。そのため、本稿では、広義のセラミックスとして取り扱います。, ダイヤモンドと黒鉛のように、同一の単一成分(組成式C)でありながら、結晶構造が違い、異なった性質を示す単体のことを同素体(Allotrope)と呼びます。本稿では、ダイヤモンドや黒鉛など、炭素材料を例に、単体セラミックスについて解説します。なお、ホウ素やケイ素などの化合物については、次回以降、酸化物セラミックス、および非酸化物セラミックスを取り上げる際に、詳しく解説します。, 無機材料の分野では、炭素材料というよりも、外来語のカーボン材料という方が一般的ではないでしょうか。同様に、ケイ素材料という呼称は、有機化学や有機材料の分野では一般的であるものの、無機材料の分野ではシリコン材料と呼ぶのが一般的です。ただし、元素名を正確に和名で取り扱う場合、公式な周期表上の元素記号C、およびSiの呼称は、それぞれ炭素、ケイ素です。, 冒頭に元素と記したのは、元素には、同位体(Isotope)の原子を有する場合があるためです。例えば、炭素元素には、質量数12の炭素原子(12C)以外に、質量数13の炭素原子(13C)や、質量数14の炭素原子(14C)などが存在します。炭素14は、存在比率と半減期の算出から、動植物の年代を推測することができます(放射性炭素年代測定)。, 人工的に製造されるダイヤモンドと黒鉛は、工業材料として幅広い分野に利用されています。天然のダイヤモンドは、キンバリー岩(キンバーライト)などの母岩中から産出し、特に無色透明、あるいは有色透明で、大きな単結晶は、希少性の高い宝飾品(宝石)です。図2に、ロシアで産出されたダイヤモンド原石(母岩中)を示します。この原石を高精度に研削研磨加工することにより、宝飾品としてのダイヤモンドになります。, ダイヤモンドは、図1(a)に示すとおり、炭素原子が3次元的に共有結合したダイヤモンド構造を有し、地球上で、最も硬く、かつ最高の熱伝導性を有します(常圧室温下)。ダイヤモンドは、現在、高温高圧法などにより、商用ベース(採算ベース)で人工的に多量に製造されています。これを、合成ダイヤモンド(Synthetic Diamond)といいます。, 天然、および合成のダイヤモンドは、含有する窒素の不純物量などにより、4種類のタイプ(Ia、Ib、IIa、IIb)に分類されます。ダイヤモンドは、黒鉛とはほぼ正反対の性質を有し、無色透明(有色透明や不透明なものもあります)、高融点(3,600℃)、高沸点(4,800℃)であり、低電気伝導性(10-11S/m)、高電気抵抗(1013Ωcm)の性質を持つ絶縁体です。また、物質の中で最大級の屈折率を有します。, 工業的には高硬度な特徴を生かし、工具、砥粒(とりゅう、Abrasive Grain)、および砥石(といし、Grinding Wheel)などに幅広く利用されています。身近な例としては、切削工具(バイト、チップ)、ボーリング(掘削)用切岩器のビット、切断・研削・研磨加工用のホイール(ブレード)・ドレッサーなどがあります。地球上には、ダイヤモンド以上に硬い工業材料がないため、当然のことでしょう(現在研究されている、六方晶窒化炭素(β-C3N4)などの非工業材料を除きます)。最近では、ダイヤモンドの優れた絶縁性や、熱伝導性といった性質を利用し、半導体材料(半導体基板)などに応用する試みもあります。, 出発原料から製造プロセスまで、高度に制御して人工的に得られる高機能なダイヤモンドを、ニューダイヤモンドと呼びます。ダイヤモンドに次ぐ高硬度な性質を有する立方晶(Cubic)の窒化ホウ素c-BNをニューダイヤモンドとして取り扱うこともあります。この立方晶BNの略称であるc-BNを、cBN、あるいは工業的呼称でCBNと称する場合もあります。なお、アメリカ化学会(American Chemical Society)などが発刊している学術論文誌上では、一般的にc-BNが用いられています。しかし、日本工業規格(JIS)のファインセラミックス関連用語中では、cBNが用いられます(JIS R 1600 : 2011、ファインセラミックス関連用語)。このファインセラミックスに関する日本工業規格については、次回、詳しく解説します。, 前回は、単体セラミックスと化合物セラミックスを紹介しました。今回は、オールドセラミックス、ニューセラミックスを取り上げます。オールドセラミックスは、天然原料を、ほぼそのままの状態で用いて人為的に作られるセラミックスです。ニューセラミックスは、天然原料に含まれる特定成分を高純度化し、精度よく配合した人工原料を用いて、高度に制御された製造プロセスを経て作られるセラミックスです。このほか、ファインセラミックスと窯業(ようぎょう)という言葉についても解説します。, 本連載では、人為的に作り出された無機固体材料を、広義のセラミックス(セラミック材料)として扱っています。その無機固体材料を作るために、天然に産出する粘土や鉱石などをほぼそのままの状態で用い、高度に制御された製造プロセスを経ずに作られるセラミックスを、オールドセラミックス(Old Ceramics)と呼びます。まれに、伝統的セラミックス(Traditional Ceramics)、古典的セラミックス(Classic Ceramics)と呼ぶこともあります。オールドセラミックスの製造過程では、高純度化や、所定の粒度分布を有する微粒子(粒径)制御など、高度な技術的処理はほとんど行われません。, オールドセラミックスに対して、ニューセラミックス(New Ceramics)という呼称もあります。ニューセラミックスには、天然原料に含まれる特定成分を高純度化した、人工の単体原料や合成原料が用いられます。これらの原料を、所定の割合に精度よく配合した混合物や化合物など、高性能な人工原料を用い、高度に制御された製造プロセスを経て作られます。, ただし、任意のセラミックスを、オールドセラミックス、あるいはニューセラミックスと明確に区別することはできません。例えば、かつて生産されたセラミックスを評価したとき、現在の技術に比べれば、それは当然、初歩的な技術によって作られたオールドセラミックスといえるでしょう。しかし、当時の技術レベルとしては、最先端の技術によって作られたセラミックスと思われるものもあります。, 主原料に、粘土、ケイ石、長石(ちょうせき、Feldspar)、方解石(ほうかいせき、Calcite)、石灰石(せっかいせき、Limestone)などの天然材料を用いて作られた土器や陶器、瓦(かわら、Roof Tiles)や煉瓦(れんが、Brick)などはオールドセラミックスに分類されるでしょう。, 図1に、オールドセラミックスの一例として、産業革命の時代に作られた、イギリスのロイヤル・ウースター社製の磁器3点セット(トリオ)を示します。18世紀後半に、イギリス国内で市販されていたボーンチャイナ製のトリオは、持ち手(Handle)の有無と形状が異なる2種類のカップ、そしてコーヒーソーサーの3点セットが主流だったようです。, ソーサーの使用方法は、18世紀後半の当時では、カップの受け皿としてよりも、熱湯冷ましが主だったようです。なお、ボーンチャイナ(Bone china)の呼称は、ケイ酸アルミニウムが主成分であるカオリンの代替材料として、リン酸カルシウムが主成分の骨(ボーン)を含有した骨灰の磁器(Porcelain、俗称でchina)に由来します。骨灰の読み方は、セラミックスの分野では、一般的に「こっかい」で、石灰(せっかい)と同様です。灰(かい)の語源は、カルシウム(Ca)の意味で、動植物などの燃焼後の残滓(ざんし:灰、Ash)の意での読み方は「こつばい」です。当時は、牛骨灰が用いられていました。牛骨灰は、他の骨灰に比べて鉄成分が少なく、焼成後の磁器表面に黒色班が発生する確率が低いためです。現在、市販されているボーンチャイナと明記された製品類は、人工の工業原料を用いて製造されています。, 図2に、ニューセラミックスの一例として、市販のセラミックナイフ、セラミックハサミを示します。, これらセラミックス製品の材質は、二酸化ジルコニウムZrO2(特に工業分野ではジルコニアと呼称)です。また、次回以降に概説する部分安定化(例えば、酸化イットリウムY2O3を3mol%添加)したジルコニア製の人工骨や、最適な焼結助剤である酸化アルミニウムAl2O3やY2O3などを添加した窒化ケイ素Si3N4製のベアリング、および半導体基板製造のための単結晶育成用(CZ法による単結晶引き上げ用)の石英ガラスSiO2製容器である坩堝(るつぼ、Crucible)などは、ニューセラミックスといえるでしょう。, 一方で、化学実験で広く用いられている耐熱性ガラスビーカーや、試験管、あるいは住宅に広く用いられている屋根瓦、外壁タイルなどは、古くて新しいセラミックスといえます。これらは、通常、オールドセラミックス、ニューセラミックスのどちらかに分類することはできません。なぜなら、今から約1,000年前にハンドメイドされたガラス製品と、現在、工業的に大量に作られているガラス製品では、品質も特性も同一ではないからです。ただし、製品群を、あくまでも、オールドかニューに二分する必要があるとすると、磁器、耐火物、ガラス、およびセメントなどは、ニューセラミックスに近いオールドセラミックスに分類できるのではないでしょうか。, 前回は、オールドセラミックス、ニューセラミックス、ファインセラミックスを紹介しました。今回は、1種類の金属元素、あるいは非金属元素と酸素が化学結合した単一の化学組成の化合物である単純酸化物について、工業的に広く利用されている代表的なセラミックスを例に解説します。さらに、同様に、2種類以上の複数の金属元素、あるいは非金属元素と酸素が化学結合した化合物である多成分系の酸化物(複酸化物)についても取り上げます。, 化合物セラミックスを化学組成で区別すると、酸素と化学結合している酸化物セラミックス(Oxide Ceramics)と、酸素以外の元素(炭素、窒素、ホウ素、ケイ素、リン、ヒ素など)と化学結合している非酸化物セラミックス(Nonoxide Ceramics)に大別できます。本稿では、前者の酸化物セラミックスを詳しく解説し、後者の非酸化物セラミックスは、次回取り上げます。, 酸化物セラミックスは、さらに、単純酸化物セラミックスと多成分系酸化物(複酸化物)セラミックスに分けられます。単純酸化物セラミックスは、ある1種類の金属元素、あるいは非金属元素(酸素よりも低電気陰性度)と酸素が化学結合した単一の化学組成の化合物です。一方、多成分系酸化物(複酸化物)セラミックスは、2種類以上の複数の金属元素、あるいは非金属元素と酸素が化学結合した化合物です。なお、複酸化物(Double Oxide)とは、オキソ酸(Oxo Acid)イオンを含まない2種類以上の酸化物が複合して生じた物質です。, 単一化合物からなる単純酸化物セラミックスは、機能材料分野、および構造材料分野などの工業製品として、とても有用なセラミック材料です。まずは、4つの単純酸化物セラミックス、酸化ケイ素(シリカ)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化チタン(チタニア)を取り上げます(図1)。これらの単純酸化物セラミックスは、結晶構造で規定される原子比と、実際の物質の原子比がほぼ同じ化学量論(Stoichiometry)にある、常圧室温下で安定なセラミックスの中でも、特に代表的なものと考えられます。, 本稿では取り上げないものの、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化カルシウム(カルシア)、酸化鉄などの酸化物セラミックスも、非常に有用なセラミック材料です。なお、シリカ、アルミナなどの、かっこ内の呼称は、工業的に広く用いられている慣用名です。, ・酸化ケイ素 セラミック砥石は水に浸けておく必要がなく、水をかけるだけですぐに使えたり、汚れの量が少ないなどもセラミック砥石ならではのメリットです。セラミック砥石のデメリットとは包丁を研ぐことでへこんだ面を直す作業に時間とコストがかかる場合があることです。 出典: https://www.monotaro.com セラミック包丁は研ぎすぎを注意する必要があります。研ぎすぎるとセラミック包丁の刃先が薄くなります。薄くなると刃こぼれし易くなります。 また、セラミック包丁の研ぎ方は、金属用の刃物を研ぐときに使う砥石で研ぐことはおすすめできません。 松下純一、セラミック材料入門、培風館、2002 セラミックスに関しては、学術的な専門書や教科書をはじめ、この分野を専門としない一般の方々向けの書籍など、さまざまな良書が世界中で出版されています。本連載では、筆者が在職している大学の授業内容を基に、セラミックスの基礎知識という切り口で、入門的な内容を中心に解説します。読者の皆さんがセラミックスという分野に少しでも興味を持ち、より専門的な領域に入るきっかけとなれば幸いです。また本稿では、重要な専門用語には英訳を併記しています。将来、原著論文を読んだり、国際会議などで研究発表を聞いたりする際の手助けになればとの思いです。, セラミック(Ceramic)の語源は、陶器(Pottery)を作るための粘土(Clay)、または粘土で焼き固めたもの(レンガや陶器など)を意味する古代ギリシャ語のケラモス(keramos)といわれています。英語のCeramicに対応する和名はセラミックで、新漢語に対応する語句はありません。古くは、出土した土器(土器片)や土偶、埴輪から、日常、私たちがご飯を食べたりお茶を飲んだりする茶碗まで、土や粘土、鉱石などを主原料に用いて高温で焼き固めたもの、すなわち、焼き物全般がセラミックスであるといえます。図1に、伝出土品(明治時代に東京近郊にて出土)の縄文土器片を示します。, 縄文土器は、今から約16,000~3,000年前の縄文と区分される時代に作られた土器の総称です。縄文という呼称は、アメリカのエドワード・シルヴェスター・モース:Edward Sylvester Morseが大森貝塚(現在の東京都品川、大田両区周辺)から出土した土器を英文で学術報告した際に記したCord Marked Potteryの和訳です(かつては、索紋土器、縄紋土器などの和訳も存在しました)。, 図1の土器片は、形状や紋様、かさ密度測定、走査型電子顕微鏡による微構造観察、化学成分分析などの評価結果から、今から約7,000~5,500年前の、縄文前期の時代に作られたものと推定されます(年代測定は未実施)。大人の手のひらに収まるような小さな土器片です。焼き固める前に、土器の表面全体に縄のような紋様が丁寧に施されているのが分かります。これらの土器などを用いて、縄文人は食材を煮炊きしたり、湯を沸かしたりして、豊かな食文化生活を営んでいたのではないでしょうか。, セラミックという外来語は、セラミックスのように複数形で使われることがあります。筆者は、セラミック、セラミックス、セラミック材料、セラミックス材料などの語彙が、それぞれ厳格に違うものであるとか、どれが間違っているということはないと考えています。いい意味で、日本的な取り扱いがなされているのではないでしょうか。我が国の国名、日本の読みは正式に定められておらず、「にほん(Nihon)」と「にっぽん(Nippon)」のどちらも問題なく使われているのと同じです。, ただし、本稿では、英語の単数名詞(イギリスでは不可算名詞として扱われる場合もある)、または形容詞のCeramicと、複数名詞、または不可算名詞のCeramicsに準拠して、セラミックとセラミックスを区別しています。これは、厳格な可算・不可算名詞、あるいは単数・複数形を区別するのではなく、セラミックはある種類、ある特定の無機固体材料を表現するときに用い、セラミックスは金属材料を除いた無機材料全体を言い表すときに用いています。そのため、セラミックという材料の分野やグループ全体を表現し取り扱うときにセラミックスを使用します。セラミック、あるいはセラミックスに関連する漢語として、窯業(Ceramic Industry)という用語があります。この窯業の詳細については、次回以降で解説します。, セラミックスは、狭義的には、人為的に焼き固められて作りだされた無機質固体(Inorganic Solid)と定義することができます。また、セラミック材料とは、セラミックという材料の意です。狭義的と記した理由は、人為的に焼き固められていない無機繊維や、無機ガラスなどの無機質の固体材料も、広義的なセラミック材料として取り扱われる場合があるからです。, 図2に示す磁器の茶碗と急須は、中国・江西省の景徳鎮(Jingdezhen)地域で、現在広く販売されている磁器です。無機ガラスが釉(ゆう)薬として用いられ、硬質で透水性がないだけでなく、外表面には染付(青絵付け)が施されています。そして、内表面は茶の色が映える純白に近い色を呈した、透明感を有する白磁器です。この染付磁器様式は14世紀ごろの完成と推測されます。, 景徳鎮(旧晶南鎮から北宋・景徳年間に改称)は、世界で初めて磁器が生産された場所です(紀元後6世紀から7世紀には陶器を生産し、11世紀には磁器生産と推測)。景徳鎮磁器の原料は、カオリン(Kaoling)という黄土色を呈した低可塑性の天然粘土です。景徳鎮磁器の主成分(約70質量%以上)は、カオリナイト(Kaolinite)/カオリン石(高陵石)です。化学式(成分組成)は、Al4Si4O10(OH)8で、アルミニウムを含む含水ケイ酸塩鉱物(蛇紋岩)の一種です。, 景徳鎮磁器の原料、カオリンは、江西省の高嶺(カオリン)に由来しています。この呼称が初報告されたのは、1869年、ドイツ人学者のフェルディナント・フォン・リヒトホーフェン:Ferdinand Freiherr von Richthofen(1833-1905年)によるとされています。図3にその説明がされている石碑を示します。石碑は、景徳鎮市内の高嶺山麓に公的設置されています。, フランス人宣教師のフランソワ・グザヴィエ・ダントルコール:Francois Xavier d’Eantrecolles(1664-1741年)は、1727年、景徳鎮磁器の製造技術などについて、世界で初めて詳しく報告しました。, このようなセラミック材料だけでなく、無機ガラス(ガラスの一般的な呼称)や、人造の黒鉛(英語名のままGraphiteグラファイトとも呼ばれる)、人工のダイヤモンド(Diamond)の無機材料(Inorganic Material)なども、セラミックスの呼称で取り扱われる場合があります(ただし金属材料を除く)。図4に、研磨剤や砥石(といし)などの工業製品に利用されているダイヤモンド粒を示します。, キンバーライト鉱などから天然に産出される、透明無色、あるいは透明有色のダイヤモンド単結晶は非常に高価です。一方で、人工的に製造されるダイヤモンドは、高品質ながらも、大量に生産することが可能なセラミックスです。ダイヤモンドに関しては、次回以降で詳しく解説します。, なお、前述したように、国際共通語として用いられている英語では、単数形扱いのセラミックと、複数形扱いのセラミックス、あるいは形容詞としてのセラミック、不可算名詞としてセラミックスを区別する場合もあるものの、通常、英語圏で広義にセラミックスというと、焼き物(陶器Potteryと磁器Porcelain(いわゆる新漢語の陶磁器Pottery and Porcelain))など、人為的に焼き固められたものを意味します。このPottery、およびPorcelainを、陶器、および磁器の意で用いる場合は、いずれも不可算名詞として扱われます。ただし、英語の文法上、同格の構文では、名詞を連結させて1つの名詞形として扱うことは少なく、例えばCeramicsという名詞を単独で用いずに、Material(s)という名詞をあえて連結させる場合は、通常、前置詞を用いて連結させるため、Material(s) of ceramicsが一般的で、Ceramics material(s)は一般的ではありません。形容詞のCeramicであれば、Ceramic material(s)と表記することは可能です(不定冠詞、定冠詞は省略しています)。, セラミックス、すなわちセラミック材料という無機固体材料は、構成原子同士がイオン結合、共有結合、ファンデルワールス力などの化学結合(通常結合と略す場合あり)をしています。しかし、セラミック材料の原子は金属結合をしていません。なぜなら、原子が金属結合をしていれば、その物質は金属材料だからです。なお、セラミック材料を含めた全ての物質を形成している材料(材質)の最小の構成単位は原子(Atom)です。そして、それぞれの化学結合には原子間の強弱があり、物質を化学結合別に区別することはできず、複数の化学結合によって作られている物質が多数あります。, 一般的にセラミック材料は、高硬度、高強度、耐熱性、耐腐食性、耐酸化性、絶縁性などの優れた特徴を有します。逆の特徴としては、低靭(じん)性、低熱伝導性、低熱膨張性、低電気伝導性などが挙げられます。ただし、これらの特徴は、あくまでも、金属材料や有機材料と比較した一般的な性質です。例えば、陶器や磁器などは絶縁性を示すものの、セラミック材料には、例外的に、純鉄と同程度の107S/m(10-5Ωcm)の導電性(電気伝導性)を有するものも存在します。これらのセラミック材料については、次回以降に詳しく解説します。, いかがでしたか? 今回は、セラミックの語源や、セラミック材料の性質などを紹介しました。次回は、セラミックスの化学組成と結晶構造を取り上げます。お楽しみに!, 参考文献: